ゴミ分別とイノベーション開発の関連性

November 23, 2020

Author: Leena

ゴミ分別とイノベーションおn関連性について考えたことはありますでしょうか。

私は先日日本の知り合いとフィンランドの最新のテクノロジーイノベーションについて話をしました。特に、世界中の企業は必死に(マイクロ)プラスチックに関する諸問題と戦っているといっても言い過ぎではあるまいと思います。何もしないと2050年までに地球の海洋には生物よりプラスチックが入っていると言われています。かなりの危機感を感じて、私自身も以前はフリースで作られていた洋服をフィンランドの厳しい冬に利用していたのですが、選択すれば布からのマイクロプラスチックの合成繊維の脱落が最近とても気になっていて、ほぼ完全にメリノウール商品を利用し始めました。

ゴミ収集車

フィンランドは最近様々なプラスチックパッケージングに関するイノベーションが出てきています。機材ベースの新しいプレスチックを開発したWoodlyや生分解性プラスチックを開発したSulapacなどがあるのです。二つとも世界中非常に注目されています。ただし、日本の知り合い曰く、とても面白いと言っても、ターゲット社会のゴミ分別システムがフィンランドと完全に違うならイノベーションもそのまま役立てないかもしれません。つまり、世界中にパッケージング革命を起こすことができる前に各国のゴミ処理システムをまず考えなければなる必要があります。ゴミはどのように収集され、処理されるかによって、新たなイノベーションのパワーも把握できるのではないか、と。

フィンランドの家庭ゴミ分別システムについて

フィンランドは全国共通基準に基づく地域別のゴミ分別システムが導入されています。一般の家庭ゴミの分別カテゴリーは一般ごみ、生ごみ、メタル(ガン、アルミ、蓋)、グラス(瓶など)、紙、カートンと段ボールです。

ゴミ分別システム

ごく普通のマンションのゴミ分別施設。フィンランドは多くのところが屋内施設ですので何曜日にどのゴミを捨ててもいいです。

面白いことにフィンランドは「燃えるゴミ」と「燃えないゴミ」ではなく、「一般ゴミ」(エネルギーウェイスト)と「生ゴミ」になっています。燃えるゴミというカテゴリーはありません。サーキュラーエコノミーを目指して、できるだけ燃やすのではなく、新たな材料・原料にします

一般ゴミの多くが燃やされるというのも事実ですが、生ゴミはできるだけ堆肥化されるかバイオガスにされるかという二つの処理方があります。このような生ゴミ分別システムがあるからこそ、フィンランドは生分解性プラスチックイノベーションも色々開発されているのではないでしょうか。ただし、日本の知り合いによればこちらは問題点でもあります。日本は生ゴミ専用堆肥化システムが導入されていないので生分解性プラスチックも結局燃やされるでしょう。世界の国々のゴミ分別・収集システムはサステイナブルイノベーションの普及に影響を及ぼしていることが非常に重要なポイントです。

プラスチックゴミの処理

フィンランドはこの数年でプラスチックゴミ知るシステムが導入されました。プラスチックゴミと言えば、まさしくパッケージングを意味しています。つまり、プレスチックのおもちゃなどをプラスチックゴミとして捨てることが禁じられています。なぜかというと、プラスチックパッケージングを利用する生産者、またはプラスチックパッケージングが使われる商品を輸入する輸入者はリサイクルコストをすべて担います。上記指摘しましたゴミ類処理を担当するのは自治体のですが、プラスチックゴミ収集を担当するのはプラスチックパッケージ生産機関スオメン・ウーシオムオヴィ(株)です。

1万人以上の市街地は必ずプラスチック収集システムの存在が義務付けられています。フィンランドの一般の所有・賃貸マンションは住宅協同組合によって管理されて、その決定によってプラゴミ収集システムも導入できるのですが、あるところは車に乗ってプラスチックゴミを収集箱まで何キロメートルも運ぶ必要があるのも事実です。

ペットボトルリサイクルについてですが、フィンランドは他の北欧の国々と同じくボトル返却制度があります。

ペットボトルリサイクル

スーパーにあるペットボトル・缶・瓶専用の返却機。

飲み物用のパットボトル、瓶と缶が含まれています。飲み物を買うときにその値段にいわゆるデポジットが追加されます。飲み終わったボトル・缶をスーパーのボトル返却機に返却しますとデポジットがかえってきます。0.5Lのペットボトルは20セント、瓶は10セント、缶は15セント、大きなペットボトルは40セントという感じです。お金が返ってくるというシステムですのでボトルのポイ捨てもとても少ない社会になっています。

ボトル返却

ボトル返却機の案内画面。

2025年を目指して、テクスタイルウェイスト収集システムを導入

EU圏内の決定で、EU各国は現在大問題になっているテクスタイルウェイストを2025年から収集しなければならなくなります。もちろん、まず一つ目はもちろん気に入らなくなった洋服をリサイクルすることです。リサイクル方法の可能性について以前執筆しました。現在燃えるゴミ(一般ごみ)として預かる使用済みのテクスタイルウェイストが正直に「テクスタイルウェイスト」として収集して、例えば新たなテクスタイル繊維にしてまた原料・材料として使うなどが予測されています。

洋服リサイクル

町中にある洋服リサイクル箱。入れられるのはテクスタイルウェイストではなく、まだ使えるような洋服です。

このような法律上の状況の中で生きている北欧人ですが、やはりテクスタイル関連イノベーション開発に力を入れています。SpinnovaInfinited Fiberなどのような新たなサステイナブル繊維開発を優先するスタートアップも出てきました。ポテンシャルのあるしるしとして、H&Mやマリメッコ、ベストセラーなどのような世界中知られているブランドや洋服企業が開発パートナーになっています。北欧ベースのイノベーションは少しずつ世界に材料改革を起こす見込みでしょう!

 

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