フィンランドはスタートアップ企業にとっても既存企業にとっても優れたビジネス環境を持つ国として広く知られていますが、そのイメージを裏付けるニュースがまたいくつか報道されています。一つは日本でも注目されている「世界汚職ランキング」のニュースですが、フィンランドはデンマークとニュージーランドと一緒に世界で最も汚職が少ない国として1位を取りました。そのニュースを含めて、今回のブログポストでは1月~2月中に出ているフィンランドニュースのいくつかをピックアップして紹介したいと思います!
2021年の「腐敗認識指数」の1位はフィンランド、デンマークとニュージーランド
フィンランドに経験のある方なら、フィンランドの市民も国も極度にルールを守る傾向があることが分かるでしょう。それは、企業の視点から見れば大変予想しやすい、働きやすいビジネス環境につながります。それのまた一つの表しとして、フィンランドは「腐敗認識指数」という世界汚職ランキングでデンマークとニュージーランドと一緒に1位となったことがあると言えますでしょう。
世界汚職ランキングではフィンランドとデンマークとニュージーランドがどれも88ポイントを取っています。評価対象の180か国の三分の二は50ポイント以下となり、平均値は43ポイントでした。翌年の2020年、フィンランドは世界汚職ランキングで3位でしたので、順位を上げることに成功しています。
ちなみに、この2021年の「腐敗認識指数」では、日本は18位、米国は27位となりました。
フィンランドの首都圏はクリーンテックに最適なエコシステム25か所の一つとして認定
米国のStartup Genomeが発表しているクリーンテック(Cleantech)のエコシステムのベスト25か所にヘルシンキ首都圏が含まれました。特に「スタートアップ企業の経験」のカテゴリーでいいポイントを取れました。ヘルシンキ市のプレスリリースによれば、ヘルシンキ市は2030年までにカーボンニュートラルになることを目指していますので、「クルーン」や「スマート」なビジネスの促進はヘルシンキ市にとって重要なゴールの一つとなっています。エコシステムは市の他、企業や大学などからも出来ています。
人工卵白を作るスタートアップ企業「Onego Bio Ltd」が千万ユーロのシードファンディングを確保
ニワトリなしで卵白を作るフィンランドのスタートアップ企業「Onego Bio Ltd」が千万ユーロのシードファンディングを確保したことが2022年2月22日に発表されました。
フィンランドでは設立されたばかりのスタートアップ企業に珍しい大規模ファンディングですが、関係者の背景を考慮すればその期待がよく分かりますでしょう。まずは、人工卵白の技術は名高いフィンランド国立技術研究センター(VTT)で開発されています。それに、Onego Bio LtdのCEOは既にオーツから造られる人工の代替肉の商品化で大成功しているMaija Itkonenです。
技術は開発済みで、次は米国での食料品の販売許可の取得と大量生産の工場を建てる段階に入ります。
以前も弊社のブログで書いている「Spinnova」など同様、フィンランドのSDG関連のスタートアップ企業が次々と世界市場を目指す動きを代表する企業の一つになりそうですね。
「Moi Forest」のフォレスト・ダストを含めたローションを「2022年のケアプロダクト」に
スキンケアのスタートアップ企業「Moi Forest」の「フォレスト・ダスト」を含めた商品ラインが、フィンランドのヘルス商店の協会によって「2022年のケアプロダクト」として認められました。
フォレスト・ダストとは「森の埃」の意味で、ヘルシンキ大学とタンペレ大学が共同で森の土から開発した微生物エキスです。そのエキスの中には、人に良い効果をもたらす細菌類やその他の微生物が入っていて、人の免疫系を強化しているそうです。
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